Moiroi

Moiroiは2004年生まれのアーティスト。2021年にはウクレレを使ったオリジナルソング「傍に。」で初めて作詞・作曲に挑戦。この曲は、彼女の音楽的な原点であり、シンプルな弾き語りのスタイルを通じて、心の奥底にある優しさや温かさを静かに表現している。

2023年7月、彼女は1st EP「ここにあること」をリリース。EPの制作には、24NEETをプロデューサーとして迎え、共に音楽の方向性を探りながら進めた。彼女はボーカル、作詞だけでなく、プロデュースにも積極的に関与し、自身のアーティストとしてのビジョンを形にしていった。「ここにあること」に収録されている楽曲は、彼女の持つ多面的な音楽性を映し出しており、ウクレレの温かみのある音色から、DTMを駆使したデジタルサウンドまで、多彩なアプローチが見られる。

Moiroiは学生時、軽音部に長く所属し、バンド活動を通じて音楽の基礎をしっかりと築いた。ベース、キーボード、ギター、ボーカルなど、バンドの中でさまざまな役割をこなしてきた経験が、彼女の音楽に幅広い表現力をもたらしている。これらの楽器を使い分けるスキルは、彼女の作品に独自の深みを与えている。

彼女のサウンドとリリックは、どこか達観した感覚と儚さが特徴。自分自身の内面を見つめ、それを音楽に昇華することで、聴く者に深い共感を呼び起こす。「ここにあること」に収録された楽曲「木々花々」は、その象徴的な一例。24NEETとの共同作曲によって生まれたこの曲は、EP全体の雰囲気を決定づけるもので、刹那的で夢見心地な世界観が広がる。この曲を通じて、彼女の内面にある儚さや優しさが音楽という形で具現化されている。

Moiroiの音楽には、内面の感情を静かに表現する力がある。彼女は日常の中で感じる些細な感情や気付き、そしてそれを超えていくような悟りの瞬間を音楽に変換し、その過程で得た深い洞察がリスナーに届けられる。彼女の作品は、シンプルでありながらも強いメッセージ性を持ち、聴く者にとって心に残る体験となっている。